イエプコの効果

解説用資料

データ1) 磨けば必ず離型は良くなる?

鏡面に仕上げるには、一般に砥粒をつけて擦るので、仕上げた金型表面は、微細な擦り傷の集まりです。また、磨き前の加工によって発生した微細な割れや磨きによっで発生した結晶の脱落孔が存在します。プラスチック成形やゴム成形においては、それらの欠陥に成形材料が入り込み、成形品の離型を悪くする要因となります。


これが金型を磨いても離型不良が改善されない理由です。イエプコ表面処理は、成形材料が入り込む微細な割れなどを閉塞させるとともに滑り性を与えます。これにより離型性を向上させます。

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表面粗さの比較

下の表は、鏡面にしたプレートとイエプコ表面処理したプレートの表面粗さを比較したものです。表面粗さの数値はイエプコ表面処理した方が大きいですが、下記の樹脂の引き剥がしのテストではイエプコ処理の方が小さな力で剥がれています(→離型が良い)

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樹脂の引き剥がし力の比較

溶融したPA(ナイロン)を、鏡面プレートとイエプコ処理プレートの表面に貼り付けて、固化後に樹脂が剥がれるまでの力を測定したデータです。鏡面プレートが441[N]なのに対し、イエプコ表面処理プレートは46[N]と約1/10の力で剥がれました。

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データ2) トリボフィニッシュの効果(表面処理別の離型力比較)

下の図は♯2000でラッピングしたコアピンに、イエプコ表面処理及びその他2種類の表面処理したものをインサート成形し、コアピンを引き抜いた時の引抜力を比較したものです。イエプコ表面処理をしたものは、面粗さは最も粗いですが、引抜力は最も小さくなっていることがわかります。これがトリボフィニッシュの効果で、離型性を大幅に向上させることができます。
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データ3) モールドデポジットについて


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    A:金型表面に微細な割れがあると、樹脂やガス分が少しづつ入り込みます。
    金型表面にまで達した入り込んだ樹脂やガス分は、流れてきた成形樹脂と結び付きます。
     離型時には入り込んだ樹脂がちぎれて、微細な割れの中に残留します。


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    B:次のショットで新しい成形樹脂と結び付きます。


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    C:ショットを繰り返すたびにモールドデポジットが成長します。
    これがモールドデポジットが成長する過程です。

イエプコ表面処理は微細な割れを閉塞すると同時に表面に滑り性を与えるためモールドデポジットが付着しにくくなります。
この効果により金型のメンテナンスサイクル低減につながります。

最終更新日:10.10.21