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イエプコ処理とは、エージェントと呼ばれる専用に開発された粉粒体を、エアーで吹き付けるマイクロブラスト式の表面処理法であり、主な作用としては表面の変質層を除去し、さらに表面を緻密にします。
イエプコ処理の微細なエージェントは表面だけに作用するようにコントロールされていますので、形状変化を最小限に止めながら表面改質ができます。粗い粒体を強く吹き付けて、内部まで圧縮応力を付加したり、表面を削ったりして加工する従来のブラスト処理と区別するため、マイクロブラストと呼ばれる分類となります。
メッキやコーティングのように、金属表面に成膜させる方式の表面処理とは異なります。

イエプコ処理のピーニング処理工程では寸法は変化しません。 クリーニング処理工程では、表面変質層（放電白層、微細バリ・カエリなど）を除去しますので、まずその厚み分は小さくなります。更に母材も若干ですが変化します。その変化量はエージェントの種類と吹き付け圧力でサブミクロンから10ミクロン程度まで調整できます。
イエプコ処理は、まったく寸法変化させない事を利用して、嵌めあい部の微調整、寸法の微調整などに利用していただけます。

豊富な種類のエージェントと、0.01MPaから最高1MPaまでの広範囲な圧力制御機構によって、角ダレの程度も、サブミクロンオーダーから0.1mmオーダーまで変化します。角ダレを嫌う場合は、粒子の細かなエージェントを低圧で吹き付けることで、エッジの形状変化を１ミクロン以内に抑えることができます。ただし、低圧で効果が出せるように、下地の加工を考慮しなければなりません。実際にバリを嫌う射出成形用金型では、下地を研削加工して、イエプコ処理を角部を含めて処理しています。
逆に、加工しにくい部分に簡単に適度な角Rをつけることもできます。

従来のショットブラスト装置、エアーブラスト装置、ショットピーニング装置は、質量の大きな粒体を強く吹き付けて内部まで圧縮応力を付加させたり、金属表面を加工する目的で作られていました。そのため、吹きつけた箇所の形状は大きく変化してしまい、後加工が必要でした。
イエプコ処理は質量が小さく、硬い粉粒体を適度な圧力で吹き付けるため、形状変化を少なく表面のみの性質を変えるため、仕上げた面に処理することができます。また、長年蓄積されたスイス　IEPCO社のノウハウにより、表面に滑り性を付加させることが可能です。

エージェントにつきましては、装置本体をお買い上げいただいたお客様にのみ販売させていただいております。

機種やオプションなどの仕様により変わりますので、弊社営業グループまでお問い合わせください。

当社に在庫がある場合は２週間程度、在庫の無い場合は３．５ヶ月から、特殊な仕様等では６ヶ月程度です。